切屑堂 kirikuzudo

ブログ: 2025/10/13 関刃物まつりに行くのに2日間を溶かした話

あるいは、クズさんはめったにお出かけしない外出の素人なんだからお出かけするときはきちんと下調べしようね、という話。 <菜切り包丁と新しいベティナイフ小がほしい> 数年前に関刃物まつりの「包丁のフジタケ」さんの出店でVG-10材の大きめなペティナイフを買ったんですが、これが素晴らしい切れ味が続いて、研いだ直後なんかも溶けるように刃が入っていく感じでお気に入りになってます。 一方、普段使いの小さめなペティナイフは20年前くらいに買ったヘンケルスの2000円ぐらいのやつで、割と頻繁に切れなくなって研ぐのめんどいなあ、ってなってました。 で、今回の関刃物まつりは小さめなペティナイフをVG-10材のものに更新しようと。あとは菜切り包丁を試してみたいので良さげなものがあったらそれも買っちゃおうと。土曜日の朝にお金をおろして、クルマで関に向かいました。 <半日は無謀だった> 土曜日は午後から打合せがあったのですが、急いで往復すれば間に合うだろうということで8時半頃に出発。関ICまでは1hちょっとの実績があったんで、下道を含めて1.5hで着くだろうと。 で、名古屋高速都心環状にのったら一宮方面が渋滞。即座に小牧線に向かったんですが、ボケーッとしてたら小牧北ICではなく名神につっこんでしまいました。41号線まわりでアプローチする予定でしたが、まあ東海北陸道でもいっか、と思ったら、小牧IC=一宮JCTで30minの渋滞につかまりました。 ここで諦めれて一宮から帰路につけばよかったんですが、粘って東海北陸道へ。なんとか10:10頃に関ICで降りることができました。そして昔の記憶どおりに駐車場がある関市文化会館に向かいます。 「満車」 しかたないので、中池公園の臨時駐車場に向かいます。10:40頃に到着しましたが、会場へのシャトルバスが出るのは11:00とのこと。こりゃ乗ったら昼からの打合せに間に合わないので、この時点で諦め。引き返すことにしました。 <松井屋酒造資料館> ただ引き返すのも悔しいので、美濃太田駅まで出て、そこから41号線+名古屋高速小牧線を使うことにしました。あと、美濃太田駅までのルートにある富加町に「松井屋酒造資料館」という江戸期の酒蔵が公開されているところがあったので寄ることにしました。 すれ違うのがきつい程度に狭い道を入っていった先にこの看板があります。見落としに注意。東海環状道の高架の西側なので、西から入っていって高架を超えてしまったら見落としです。 おばあさん一人で受付していて、時間帯によっては誰もいないことがあるので、粘り強く「ごめんくださーい」って声をあげましょう。  松井屋酒造場  https://matsuiya-sake.jimdofree.com/photo/ 江戸時代から残ってる釜と甑でいまも蒸米やってるの、すごくないですか? 松の一本ものの梁もいまじゃ絶対手に入らないような材でうわぁ、ってなります。 仕込み量が少なくて、いまは吊るしで絞ってるので粕もかなり上質だそうです。 <お仕事> 打合せにはギリギリ間に合って、その日は打合せ内容を図面に起こして出図と発注しておしまい。三菱電機のFX3S-14MT+GT2103-PMBDSはほんとになんでも使えますね。 <リベンジするお> 渋滞やだなあ、ってのと、シャトルバスの間隔にやばさを感じたので、長良川鉄道に乗ってみたかったのもあって、公共交通機関でリベンジ。美濃太田駅までクルマで行く手もあったんですが、名駅スタートで、中央線の多治見から太多線で美濃太田まで出るルートを選定。これがよくなかった…… <長良川鉄道の時刻表> 事前に見とけよ、という話ですが。公共交通機関を利用しなれていない生粋の名古屋市民であるクズさんはどの鉄道も名古屋市地下鉄名城線か新幹線ぐらいの間隔で来るという思いこみが抜けなくて、まあローカル私鉄でも1列車/hぐらいはあるだろうとか思ってました。 その結果が多治見駅で1h待ちです。長良川鉄道は0.5列車/hだったかー、と。やることない。しかたないんで駅構内のパン屋のイートインでご本を読んでました。『古代中国の24時間』、下世話で面白いです。美濃太田まで行っておいてもよかったんですが、多治見よりもなんもないので。クルマ社会なんですよね、このへんも。 多治見駅からは太多線で美濃太田へ。非電化区間なんですね。はじめて乗りました。 美濃太田駅で長良川鉄道に乗換。駅前(北口)にコインパーキングけっこうあるので、もし次に長良川鉄道にアクセスする機会があるなら、時間の調整が効く自家用車でパーク&ライドかなあ、って感じです。 長良川鉄道はワンマン1両での運行なんでこういうイベントでは輸送力ギリギリっぽいですね。ただ、幹線からアクセスしようとすると美濃太田からしか乗れないというところがフィルタになってるみたいで、次の便まで待たされるみたいな地獄ではなかったです。 ワンマン運行なんで、後ろの扉から乗って整理券を取り、降りるときに整理券と料金を払う方式です。関駅とか美濃太田駅みたいな主要駅は切符も買えるので、時間に余裕があれば切符を買うのもありです。車内に両替機もあるんですが、できれば小銭はもっておきましょう。 <なんか来場者が増えてる気がする> 明らかに数年前にきたときより混んでる感じでした。そりゃ駐車場も埋まりますわ。「せきてらす前」駅で降りたので、本町通りの出店のど真ん中に出ました。 ひととおり歩いて、東のはしっこのほうで以前に購入した「包丁のフジタケ」さんの出店を発見。VG-10シリーズも数年前と比べると値上がりしてました。まあ、物価高ですからね。材料も値上がりしてるし、工賃も上がるし、しゃあない。アウトレット品でVG-10のペティナイフと三徳が安かったので購入。(貝印・関孫六マスターラインと同じ切付形状の三徳がほしかったんですよね、三徳でもプロっぽい感じがするので) 包丁メインで出してるところはひととおりのぞきましたが、ダマスカスと槌目仕上げ、流行ってるんですかね。あんまり好きじゃないのでスルーしました。クラシカルなのが好きなんです。 あと菜切り包丁は不人気なのかほとんど置いてないです。三徳や牛刀ばっかり。あってもプロ向けな粉末ハイス鋼(SG2)のもので、VG-10はなかったですね。SG2を研げそうな砥石は持ってないのとさすがにお値段がきつい。「孫六刃物製作所」さんにVG-1のものがあって、お話をうかがったところ、研ぎの間隔は短くなるかもしれないが菜切りならほとんど違いは感じられない、とのことだったのでそちらを購入。 そういえば包丁を見てると聞こえてくるのが「ニトリの包丁研ぎとかでもいいですかね」というような、砥石を持ってないであろうお客さんの発言。自分はAmazonで買ったキング砥石の#1000と#6000と面直し(ぜんぶ合わせて4,500円ぐらい)しか持ってないですが、いまは動画で研ぎのテクニックを見ることができるので、とりあえず安物でいいから砥石を買おうぜ、という感じです。 高級な包丁を置いてある出店には高級砥石もならんでましたね。20,000円超がごろごろ。すごい世界もあるんだなあ、ってなりました。 <さっさと帰るよ> 1時間で包丁3本に25,000円を使ってしまい、これ以上居るとお財布がすっからかんになりそうだったので、さっさと帰ることにしました。帰りは関駅まで1kmほど歩きます。ちょうど発車間際の美濃太田行きがホームにいたので乗車。 あと、帰り際に出店の間で謎の待機列が見えたんですが、市役所の臨時駐車場とのシャトルバスの待機列みたいで、3便分ぐらいはあったので、「あー地獄じゃん」ってなりました。美濃太田駅でパーク&ライドするか、美濃市駅でパーク&ライドするか、どっちかですね。美濃市駅のまわりには市営駐車場が多いし、北側からアクセスする人は少なそうなので、そっちが正解かも。 岐阜駅からバスという手もあります。岐阜関線・関上之保線です。JR岐阜駅14番乗り場からB81に乗ると50分前後で関駅前まで行けます。バスは往復どちらとも、平均すると1時間に2本あるので安定感はありますね。長良川鉄道は本数が少ないのが予定の読みにくいイベント観光では利用しづらい感じがあります。  岐阜バス・岐阜~関の時刻表(PDF)  https://www.gifubus.co.jp/2510_gifu-seki.pdf 余談ですが、長良川鉄道のWebサイトは「https」になってないので、スマホのブラウザによっては蹴られて見れないのがけっこう困りますね。代替の時刻表サイトは見つかりますけど。SSL化できていないの、事業体としてはかなり厳しい感じが伝わってきます。運転席の張り紙の内容とかもけっこう整備がギリギリな感じが出ていました。1998年に名神と東海北陸道が接続して白鳥まで開通して以降、四半世紀で需要をゴリゴリ削られた結末なのかも。  長良川鉄道の時刻表(「http」なのでブラウザによっては蹴られるかも)  http://www.nagatetsu.co.jp/guide/timetable/ 帰りまで多治見まわりにすることはないよなあ、ということで、美濃太田からは高山本線を使って岐阜まわりで帰ることに。とちゅう、蘇原駅でかなりの乗客があって「なんだなんだ」と思いましたが、迷彩バッグや「Remove before Flight」タグがたくさん見えたので各務原の岐阜基地公開だったと気がつきました。(本当に飛行機に興味をもてなくなってしまった) <戦利品について> お安く手に入ったわけですが、苦労を考えると通販でもよかったな、というのはなくはないです。でも、包丁みたいなものは現物を見て触っておきたいというのはあります。通販の写真では持ったときの重心とかわからんですしね。あと、包丁は10年、ヘタすると20年とか使い続けることになるので、まあ、10年に1回ぐらいは苦労してもいいか、とかいうのはあります。三徳・ペティ大小・菜切り、と、ひととおりVG-1以上でそろったので、しばらくは買わなくてもよさそうですし。 この3本に25,000円ほど使ったわけですが、少なくとも週に2回は使うとして、10年だと1000回使うわけですから、1回あたり25円でストレスなく料理できるのであれば実質無料、と考えています。 <戦利品それぞれについて> VG-10の切付形状な三徳包丁。「包丁のフジタケ」さんで購入。柄が大きめで重心が手元にあるせいか、めちゃくちゃ軽く感じます。コントロールしやすそう。 VG-10のペティナイフ小。「包丁のフジタケ」さんで購入。なんだかんだといちばん出番が多いサイズなので期待してしまいます。この柄が持ちやすくて好き。 VG-1の菜切り包丁。「孫六刃物製作所」さんで購入。重心がかなり刃のほうに寄ってるので慣れるまで時間がかかるかも。しばらく大根と蓮根をたくさん切って練習します。 ペティナイフ小の新旧交代。手前が従来品のヘンケルス(ロストフライ)で20年前ぐらいにホームセンターで2000円くらいで購入した記憶。わりとすぐに切れなくなってくる。スペアに降格です。 ---------------------------------------