切屑堂 kirikuzudo

ブログ: 2022/12/18 三菱電機のインバータの制御回路用電源についてのメモ

もう4~5回ぐらい同じ間違いをして、毎回、現場で1時間程度のロスをしているので、戒めとしてメモを残しておくことにしました。 三菱電機の三相誘導電動機用インバータで FR-A820シリーズ の 0.75kW~37kW あたりが対称です。たぶん FR-F820 シリーズも同じですが。ちなみに防爆対応の FR-Bシリーズ および FR-B3 は中身がほぼ FR-A820 なのでまったく同じです。 図1.FR-A800シリーズ 端子結線図 (『三菱電機汎用インバータ A800 取扱説明書(導入編)(日本語)』P5 から抜粋) 必要部分を拡大したのがこちら。 図2.FR-A800シリーズ 端子結線図(拡大) FR-A820シリーズ や FR-Bシリーズ を使うときはだいたい CC-Link IE Field ネットワークから操作することになるので、電磁接触器で主回路に三相200Vを通電する前に通信できるようにしておきたいことが多かったりします。 そこで「24V外部電源入力・コモン端子」(図2の青枠、[+24][SD])に 専用のDC24V電源から通電してシーケンサの起動とあわせてインバータの制御回路が立ち上がるようにしています。 そして、毎回、勘違いするのが、端子結線図の赤枠の「短絡片 ※2」の注釈にある、  「※2 制御回路別電源にする場合は、R1/L11、S1/L21短絡片を外してください」 という記載です。 このDC24V外部電源入力は「制御回路別電源」には該当しないのですが、毎回、  「あ、DC24Vつっこんでるから短絡片を外しておかなきゃ!」 となり、外してしまうわけです。 図3.FR-A800シリーズ 内部ブロック図 (『三菱電機汎用インバータ A800 取扱説明書(導入編)(日本語)』P11 から抜粋) DC24VはCPUやロジック回路側の電源部への供給になるのですが、これらとアイソレーションされたIGBT駆動用ゲート回路や高電圧制御回路のほうは三相200V側から電源を取る形になっているので、短絡片を外すとIGBT駆動用ゲート回路に電源が供給されなくなり動かなくなります。 先ほどの  「※2 制御回路別電源にする場合は、R1/L11、S1/L21短絡片を外してください」 という記載は、  「R1/L11とS1/L21から短絡片を外して、R1/L11とS1/L21に別回路で三相200Vをつっこんでもいいよ」 という感じですね。 こちらを使えばDC24V外部電源入力も不要です。 あと、DC24V外部電源入力の欠点として、電磁接触器がONして三相200Vが入力されると、制御側のRAMがリセットされ、RAM上にある駆動周波数設定などがクリアされてしまうということがありますが、別回路で三相200Vをつっこんでおけばそれもありません。 ただ、動力主回路から200Vをわけて R1/L11とS1/L21につっこむのはいささか面倒だし、盤面もめんどくなるよね、というのはあります。 そのため、いつもDC24V外部電源入力を選んで、電磁接触器がONしたあとに、CC-Link IE Field経由でシーケンサからRAMに再度、駆動周波数設定などを書き込みするようにしています。 このあたりはいろんなトレードオフがあると思うので、状況次第じゃないかな、という感じです。