初挑戦でちょっとはまったのでメモしておきます。
三菱電機のシーケンサ iQ-R の構成に CC-Link IE Field ユニットを
追加して CC-Link IE Field インタフェースを内蔵している
三菱電機のインバータ FR-A820-GF を運転しようと考えました。
<構成>
iQ-Rの構成は下記です。
・R38B (ベース)
・R63P (電源)
・R04CPU (CPUユニット)
・R71GF11-T2 (CC-Link IE Field ユニット)
・(その他いろいろ)
また、インバータは下記の機種です。
・FR-A820-2.2K-1-GF
(CC-Link IE Field 通信内蔵)
※F800シリーズやBシリーズに
CC-Link IE Field 通信オプション FR-A8NCE を
追加しても同様になります。
<配線>
iQ-R の CC-Link IE Field ユニット R71GF11-T2 と
インバータの FR-A820-2.2K-1-GF との接続は
市販のCat5e UTPなLANケーブルでも接続できます。
公式にはSTPとシールド付RJ45コネクタを使うことになってるはずです。
<インバータ側の通信設定>
それっぽいタイトルの
「CC-Link IEフィールドネットワーク通信機能内蔵タイプ 取扱説明書(導入編)」
にはあんまり参考になることは書かれていませんでした。ぐぬぬ。
というわけで、
参照する取説は「三菱電機 汎用インバータ A800 取扱説明書(詳細編)」になります。
基本的には上記マニュアルの「5.21項 CC-Link IE フィールドネットワーク」の
項目に必要なことは全て書いてあります。シーケンサ側のサンプルプログラムまで。
基本的には「5.21.5項 プログラミング例」のとおり設定すればいいです。
それ以外には「5.15.7項 CC-Link IE フィールドネットワーク機能の設定」の
記載パラメータを設定します。
Pr.434に使用するネットワークNo.を、Pr.435に使用する局番を設定します。
ネットワークNo.は特になにもなければ「1」にします。
今回はインバータが1台で、iQ-R側ユニットの局番は「0」になるので、
インバータ側の局番は「1」になります。
また、NET運転モードにならないとCC-Link IEF通信が成立しても、
iQ-Rにインバータの操作権が移らずに運転指令が通らないので、
これに関連するパラメータを下記のように変更します。
Pr.340 ->「10」
Pr.79 ->「0」(デフォルト)
これで起動時にインバータはNET運転モードになり、
iQ-R側からの運転指令を受けつけるようになります。
最後にこれらのパラメータ変更をしたらインバータの電源を一度OFFにして
10秒以上おいてから電源を再投入します。
※変更が必要なパラメータ
Pr.340 -> 「10」
Pr.79 -> 「0」(デフォルト)
Pr.434 -> 「1」(CC-Link IE FのネットワークNo.)
Pr.435 -> 「1」(CC-Link IE Fの局番)
<シーケンサ側の通信設定>
シーケンサ側の設定項目ですが、
「三菱電機 汎用インバータ A800 取扱説明書(詳細編)」の
「5.21項 CC-Link IE フィールドネットワーク」に書いてあるとおりにします。
GX Works3 の設定画面で
[パラメータ]-[ユニット情報]-[RJ71-GF11-T2]をダブルクリックして
設定項目一覧を開きます。

[ネットワーク構成設定]の[詳細設定]をダブルクリックして
設定画面を開いて「汎用インテリジェントデバイス局」を追加します。
RX/RY設定、RWw/RWr設定はインバータの取説どおりに入力します。

[リフレッシュ設定]の[詳細設定]をダブルクリックして
設定画面を開いてリンク側とCPU側のデバイスを設定します。
これもインバータの取説どおりに入力します。

設定パラメータはこれだけです。
これでパラメータを反映してiQ-RをResetすれば
上記の[リフレッシュ設定]の[CPU側]のデバイスが
インバータ内部とリンクします。
プログラムは
「5.21.5項 プログラミング例」のとおり書けば動きます。
(推奨しませんが)単純に動かすだけなら
1.設定周波数(RAM)[0.01Hz]単位をW100に書き込む
2.Y1021をONして設定周波数をRAMに反映
3.Y1000をONして正転開始
4.LD X1002から運転中ランプ等を点灯
5.Y1000をOFFして正転停止
みたいにたった5行で済みます。
CC-Link IEFでつなげる利点としてはインバータのステータスが
CPU側のデバイスに勝手に降ってくるというところで、
電圧値・電流値やトルクなどの長期トレンドを取得して
予防保全に活用するなど様々な応用を気軽に実施できるのは
かなり面白いところだと思います。
(他の方法でもできなくないけど面倒)