切屑堂 kirikuzudo

ブログ: 2025/11/02 17年ぶりにチェロの練習を再開した話

<手元にチェロがある> 25~26歳ぐらいのときに京都の楽器屋がやっているチェロ教室でチェロを習ってました。 そして、その当時、京都の寺町今出川あたりの商店街にあるお店で購入したチェロが 部屋で17年間ほど、ずっと飾り物になっていました。  寺町今出川あたりの商店街にあるお店  Ichii Hiroki Violin Shop  https://violinshop.jp/ <チェロの状態> 17年間、むき出しで飾り物になっていたので、細かいキズがたくさんあるものの、 楽器としてはきちんとしているように思えました。 弦がゆるゆるだったので魂柱が傾いたり倒れてる可能性もあったのですが、 f孔から見た感じでは傾いたりしてない模様でした。 <とりあえず弦を替えてみた> テールピースのとこを見たところ、たぶんA・D・G・Cすべて、ヤーガーのMediumが張られていましたが、 おそらく限界っぽいな、という感じなので、弦を変えることにしました。 ひさしぶりに触るということもあり、調弦で切っちゃったりするし安物がいいか、ということで、 サウンドハウスで780円の激安弦を大量に買い込みました。  PLAYTECH PSC100 チェロ弦 スチール 4/4 セット 780円  https://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/348554/ ちゃんとしたチェロの弦はびっくり高いので。  Thomastik-Infeld Dominant チェロ弦 セット4/4 Medium 22,380円  https://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/335395/ いずれ、慣れたらこのDominantを買って張りたいですけどね。 Dominant、めっちゃ好みの音するし押さえやすいので。ナイロン弦、大好き。(昔、使ってた) <サウンドハウスの激安弦> ヤーガーのMediumと比べるとかなり細めです。特にA線は針金という感じ。 音はチェロ弾きの方からすると「こんなんチェロの音じゃないやい!」って感じかもですが、 細いので張力が低く、めちゃくちゃ押さえるのが楽ですし、ペグをまわして調弦するのもかなり楽です。 そのぶん、チューニングはズレやすいし、たぶん寿命も短いとは思います。 ついでにA線が針金なのでペグとナットにめっちゃ食い込むし、めっちゃキンキンした音になりますし。 が、セットで780円。調弦でとばしてもぜんぜん気にならない。慣れるまではこれでいいかな、と。 あと、楽器との相性なのか、なぜかD線がめっちゃ鳴ります。 <ペグが固い> 調弦していると、ペグのひっかかったりがけっこうしんどい感じがしたので、 ペグコンパウンドなるものを試してみました。  Hidersine HiderPaste ペグ調整剤 790円  https://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/356072/  Conrad Gotz Peg Soap ペグ調整剤 1,180円  https://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/356079/ ガッガッとひっかかる感じがなくなりました。 <ヤーガー弦を再度、試してみた> 掃除をしていたらヤーガーの弦セット(A・D線=Dolce、G・C線=Medium)が出てきました。 激安弦と比べてどうだろう、とA線を変えようしたところ、調弦中に210Hzぐらいを超えると ペグがすべって緩んでしまい、なんとか止めようとしてなんども引っ張っていたら切れてしまいました。 ペグボックスとペグが擦れるところはツルッツルなので、もうペグが限界なのかもですね。 (怖いのでD・G・C線は試さずにおいてあります) <ケースがほしい> 買ったときにお店でサービスでつけてもらったソフトケースがどこかに行ってしまい、 ずっとむき出しだったので、メンテナンスに出したりで運ぶとき用にケースがほしいな、となりました。 <サウンドハウスの激安チェロケース> 貧乏人の味方・PLAYTECHにもチェロケースはありまして、VCC44がなんと22,000円。 例えばSKBの344チェロケースは40,000円。町中でよく見るEASTMANのスタンダードなやつは78,000円。  PLAYTECH VCC44 チェロハードケース 22,800円  https://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/328697/ ぶっちゃけ、クズさんの体重を考えれば、ABS製だろうがグラスファイバ製だろうが重量の差は誤差みたいな感じです。 名古屋はクルマ社会なので目的地の近くのコインパーキングまではクルマに乗ってもらいますし。 なので問題は「ちゃんと手持ちのチェロがおさまるかどうか」。 これはもう賭けなので、22,000円だったらドブに捨ててもいいかな、 という気持ちになるまで待ってポチりました。 ちゃんと入りました。 虫が怖いので、とりあえず防虫剤をほうりこんで放置しています。 <激安チェロスタンド> ふだんは部屋のカラーボックスに立てかけてあるんですが、 過去にその状態で一度、倒してしまったことがあるんですね。 そこで、やっぱりスタンドがほしいな、となりました。  HERCULES STANDS DS580B チェロ用スタンド 8,350円  https://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/159791/ どんなものかと思いましたが、とりあえず倒れないようにきちんと立てておくことが できるようになりました。 <弓の毛を替えたい> 16年前に買ったときから一回も弓の毛を替えていなかったので やはり弓の毛が限界という感じがあったのと、 毛の産地が変わると弾き心地が変わるというので ちょっとお金はかかるものの替えていこうと思いました。  ※本当はアマチュアでも半年~1年で替えた方がいいらしいですね。 産地もモンゴル、カナダ、シベリア、イタリアetc…… まあ、オタクなんでこういう選択肢があると、機材沼にはまりがちですよね。 そして弓の毛替えをするにあたって、やはり時間はかかるだろうな、ということで、 予備の弓を準備しようと考えました。 実際の毛替え作業は弓自体に大きな問題がなければ 2時間ぐらいで終わるらしいですが、 修理するところもバックオーダーがたくさんあるはずなので、 なんだかんだで少なくとも1ヶ月はかかるだろうな、と。 で、1ヶ月以上のお付き合いになるということですので、 いま持っているのと同じ感じでちゃんと使える弓がほしいな、と。 <サブ弓の候補> いま使ってる弓はW.SEIFERTのエントリー品でもちょっといいやつなので、 さすがにこれよりいいものとなると20万円コースになってしまいます。 というわけで、メイン弓の買い換えではなくサブ弓の買い足しという方向で検討しました。 まだ初心者なんで、たぶん弓の良い悪いもぜんぜんわからないとは思うんですが、 とりあえずPLAYTECHブランドの激安弓はやめておこうと思いました。 で、サウンドハウスで探すとGeorgEdlerという名前のカーボン弓が激安でとなりに並んでいます。  Georg Edler カーボン弓 チェロ用 19,800円  https://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/316873/ 「GeorgEdler」でGoogle検索したら「タツノヤ商会」というところに取扱が載っていました。 この商社さんが企画して中国で生産しているのか、 中国で既にある廉価ブランドをこの商社さんが引っ張ってきているのかはわかりませんが、 まあ、商社が噛んでいるぶんマシかな、という感じです。  https://www.tatsunoya.co.jp/products/bows_00097 あとはカーボン材で作るぶん、木材の質ほど材質自体に値段がそこまで響かないだろうな、と考えました。 安くて微妙でも、ブラジル材の安くて使えないやつよりは多少はマシだろうと。 これはもう賭けなので、19,800円だったらドブに捨ててもいいかな、 という気持ちになるまで待ってポチりました。 届きました。 とりあえず曲がったりしてるような変なものではなさそうです。 <激安カーボン弓の重量> 届いたのでとりあえず重量計測です。 タニタのキッチン用はかりで、80gと81gでチラチラ動くぐらいだったので、 まあ80.5g程度なのかな、と。悪くないですね。 <松脂も変える> 次は松脂を塗っていきます。 D'Addario の VR200 Natural Rosin Light というこれまた激安な松脂を PLAYTECHの激安弦といっしょに購入して使っていたんですが、 C線とG線がすべってるような感じがしたので(これも弓の毛がダメなせいかもですが) チェロでは定番といわれる Thorvaldsson の Millant Deroux を 激安カーボン弓とあわせて購入。  Thorvaldsson Millant(黒猫) 松脂 ダーク 2,180円  https://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/297725/ パッケージの蓋に書いてある猫の絵がかわいいですね。 #100のサンドペーパーで表面を荒らしてから弓毛に塗っていきます。 <激安カーボン弓の具合> 構えてみます。なんとなくメイン弓より取り回しがちょっと重い気がします。 重心が弓先寄りなのかな。フロッグがエボニー材じゃない軽い木材っぽいので、 そういうところで構えたときのモーメントが違うのかもしれません。 持ち方もちょっと人さし指を若干弓先のほうにずらす感じになりそう。 音はまあ、初心者なんであんまり差がない気がしますが、 重心が弓先にあるせいか、前よりしっかり弦に載ってる感じがあります。 松脂を変えたのも影響しているかもですが。 全体として、激安弦との組合せでも練習には問題ないかな、という判断をして、 メイン弓は大手楽器店に毛替えで預けてきました。(約1ヶ月待ち) カーボン弓はわりとラフな扱いに耐えるのも初心者にはうれしいです。 <練習> YouTubeでプロのチェリストがいろいろと初心者向けの動画をあげているのを見て、 ボウイングと第1ポジションの練習をずっとしています。 あと、バッハ無伴奏チェロ組曲1番・プレリュードのはじめの2小節だけとか。 (めっちゃA線・D線の移弦の練習になる……アップボウのD→Aがテンポずれやすいクズさん……) できる限り、お昼休みと夜の2回、15分ずつぐらい触るようにしています。 まだ姿勢が安定していなくて、右手の動きもばらつきが多いんですよね。 でも、YouTubeの動画がたくさんあるおかげでお手本には困らない。 いい時代ですね。 <機材沼> 自分がオタクなせいでもあるんですが、楽器の機材沼はやばいですね。 サブ弓を検討していたときにいろいろ見たせいで、いまは新しい弓がほしくなってしまっています。 まずはM.SAPHIR(メゾン・サフィール)という日本のブランド。 削り出しで作っていて、なんとJAN Codeがある。工業製品じゃん。いいね。  JAN code:4514997403745 断面形状、引っ張り側だけ角弓になっているのも「材料力学~」ってなっていいです。 国産の弓メーカーといえば、有名な杉藤楽弓社は名古屋にあったんですね。 瀬戸線の矢田駅近く。メンテもやってくれるそうです。社長は5代目とか。すごいね。 さきほどのM.SAPHIRはこの杉藤楽弓社がOEMらしいです。  杉藤楽弓社  https://www.sugito-bow.co.jp/profile/ あとは、カーボン弓といえばアメリカのCoda Bow社。 プロでも練習弓に使うぐらいの特性の最上位グレードが320,000円で 買えてしまうというのがすごいですよね。 ペルナンブーコ材はワシントン条約のカテゴリ1に移る可能性がありますし、 自分が楽しむためにチェロを弾くなら カーボン弓を選び続けるというのもひとつの考え方という気もします。 <レッスンを受けるべきか> 名駅のヤマハでチェロのレッスンがあるみたいなので、時間がとれるようになったら ちゃんと講師の人にフォームとか見てもらったほうがいいのかな、という気持ちではいます。 自分では気がつかない癖とかあるかもなんで。 <チェロ本体のメンテナンス> わりと悪くない状態な気はしますが、駒の高さとかネックの倒れとか、 いろいろ見てもらいたい感じではあります。 あと、たぶんナットはA線のところがだいぶ削れてしまっているので、 さすがに修正しないとまずい気がしています。 <予備のチェロ本体> さすがに本体の予備は……という気もします。 もっとうまくなっていたら、いまのより上のグレードのを、という気にもなれたかもですが、 まだ、いまの子すらぜんぜん鳴らせてないんで。 なんならけっこういいやつなんですよね、いまの子。 ひとつ、プランとしては、サイレントチェロとかエレキチェロとかみたいな、 本体の響きを気にしなくていい、ほぼ別の楽器ともいえるやつを練習用に買うというのは アリかもしれないと考えています。  PLAYTECH PEC100BR エレクトリックチェロ 4/4サイズ ブラウン 69,800円  https://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/356245/  YAMAHA SVC50 サイレントチェロ 217,800円  https://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/84918/ SVC50はエレキベースと同じウォームギヤのペグなのが楽でいいですよね。 伏見のヤマハで展示品の安売りとかしてないかなあ。 --------------------------------------- チェロってほんとお金がかかるね……