切屑堂 kirikuzudo

ブログ: 2019/02/04 三菱電機 iQ-R と FR-A820-GF の CC-Link IE Field 運転

初挑戦でちょっとはまったのでメモしておきます。 三菱電機のシーケンサ iQ-R の構成に CC-Link IE Field ユニットを 追加して CC-Link IE Field インタフェースを内蔵している 三菱電機のインバータ FR-A820-GF を運転しようと考えました。 <構成> iQ-Rの構成は下記です。  ・R38B (ベース)  ・R63P (電源)  ・R04CPU (CPUユニット)  ・R71GF11-T2 (CC-Link IE Field ユニット)  ・(その他いろいろ) また、インバータは下記の機種です。  ・FR-A820-2.2K-1-GF   (CC-Link IE Field 通信内蔵)   ※F800シリーズやBシリーズに    CC-Link IE Field 通信オプション FR-A8NCE を    追加しても同様になります。 <配線> iQ-R の CC-Link IE Field ユニット R71GF11-T2 と インバータの FR-A820-2.2K-1-GF との接続は 市販のCat5e UTPなLANケーブルでも接続できます。 公式にはSTPとシールド付RJ45コネクタを使うことになってるはずです。 <インバータ側の通信設定> それっぽいタイトルの 「CC-Link IEフィールドネットワーク通信機能内蔵タイプ 取扱説明書(導入編)」 にはあんまり参考になることは書かれていませんでした。ぐぬぬ。 というわけで、 参照する取説は「三菱電機 汎用インバータ A800 取扱説明書(詳細編)」になります。 基本的には上記マニュアルの「5.21項 CC-Link IE フィールドネットワーク」の 項目に必要なことは全て書いてあります。シーケンサ側のサンプルプログラムまで。 基本的には「5.21.5項 プログラミング例」のとおり設定すればいいです。 それ以外には「5.15.7項 CC-Link IE フィールドネットワーク機能の設定」の 記載パラメータを設定します。 Pr.434に使用するネットワークNo.を、Pr.435に使用する局番を設定します。 ネットワークNo.は特になにもなければ「1」にします。 今回はインバータが1台で、iQ-R側ユニットの局番は「0」になるので、 インバータ側の局番は「1」になります。 また、NET運転モードにならないとCC-Link IEF通信が成立しても、 iQ-Rにインバータの操作権が移らずに運転指令が通らないので、 これに関連するパラメータを下記のように変更します。 Pr.340 ->「10」 Pr.79 ->「0」(デフォルト) これで起動時にインバータはNET運転モードになり、 iQ-R側からの運転指令を受けつけるようになります。 最後にこれらのパラメータ変更をしたらインバータの電源を一度OFFにして 10秒以上おいてから電源を再投入します。  ※変更が必要なパラメータ    Pr.340 -> 「10」    Pr.79 -> 「0」(デフォルト)    Pr.434 -> 「1」(CC-Link IE FのネットワークNo.)    Pr.435 -> 「1」(CC-Link IE Fの局番) <シーケンサ側の通信設定> シーケンサ側の設定項目ですが、 「三菱電機 汎用インバータ A800 取扱説明書(詳細編)」の 「5.21項 CC-Link IE フィールドネットワーク」に書いてあるとおりにします。 GX Works3 の設定画面で [パラメータ]-[ユニット情報]-[RJ71-GF11-T2]をダブルクリックして 設定項目一覧を開きます。 [ネットワーク構成設定]の[詳細設定]をダブルクリックして 設定画面を開いて「汎用インテリジェントデバイス局」を追加します。 RX/RY設定、RWw/RWr設定はインバータの取説どおりに入力します。 [リフレッシュ設定]の[詳細設定]をダブルクリックして 設定画面を開いてリンク側とCPU側のデバイスを設定します。 これもインバータの取説どおりに入力します。 設定パラメータはこれだけです。 これでパラメータを反映してiQ-RをResetすれば 上記の[リフレッシュ設定]の[CPU側]のデバイスが インバータ内部とリンクします。 プログラムは 「5.21.5項 プログラミング例」のとおり書けば動きます。 (推奨しませんが)単純に動かすだけなら  1.設定周波数(RAM)[0.01Hz]単位をW100に書き込む  2.Y1021をONして設定周波数をRAMに反映  3.Y1000をONして正転開始  4.LD X1002から運転中ランプ等を点灯  5.Y1000をOFFして正転停止 みたいにたった5行で済みます。 CC-Link IEFでつなげる利点としてはインバータのステータスが CPU側のデバイスに勝手に降ってくるというところで、 電圧値・電流値やトルクなどの長期トレンドを取得して 予防保全に活用するなど様々な応用を気軽に実施できるのは かなり面白いところだと思います。 (他の方法でもできなくないけど面倒)